さえる

さえる
I
さえる【冴える・冱える】
〔「さやか」の「さや」と同源〕
(1)月や星が寒い夜空にくっきりと見える。

「~・えた月の光」

(2)楽器の澄んだ音色がはっきり聞こえる。

「笛の~・えた音色」

(3)色がくっきり鮮やかに感じられる。 また, 顔色や表情が生き生きとする。

「~・えた青」「近頃顔色が~・えない」

(4)意識がはっきりする。 (ア)頭脳のはたらきが明晰(メイセキ)である。

「朝のうちは頭が~・えている」「~・えた頭脳の持ち主」(イ)(「目がさえる」の形で)(興奮して)眠気がなくなる。 「目が~・えてなかなか眠れない」

(5)腕前や技術が際立って鮮やかである。

「~・えた撥(バチ)さばき」

(6)にぎやかに盛り上がる。

「紙屋仲間の御参会~・えるの~・えるの/浄瑠璃・紙屋治兵衛」

(7)寒さが厳しくなる。 冷える。

「春わかず~・ゆる河辺の葦の芽は/宇津保(春日詣)」

II
さえる【障える】
(1)つかえる。 ひっかかる。 現代語では多く「気にさえる」の形で気にさわるの意に用いる。

「お気に~・へては困りますの/金色夜叉(紅葉)」

(2)じゃまする。 さまたげる。 さえぎる。

「石を投げて仏を打ち奉る時に, 山神石を~・へて外に落しつ/今昔 1」

(3)さわる。 触れる。

「此箱に手を~・へてなんとひろぐ/歌舞伎・桑名屋徳蔵」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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